逮捕後の連絡|旦那や彼氏など身内の逮捕を調べる方法、弁護士の呼び方や職場バレ回避法も紹介
「身内が逮捕されたかもしれない…。警察から逮捕の連絡はくる?」
「身内が逮捕されているか知りたい!調べる方法はある?」
このような疑問、お悩みをお持ちの方はいませんか?
夫から「逮捕されそう!」という連絡があったっきり、何日も連絡がつかない…といった体験談は珍しいものではありません。
今回は、
- 逮捕後、警察が身内に電話連絡をしてくれる可能性
- 家族や彼氏彼女、知人が逮捕されたか調べる方法
- 会社への逮捕バレの回避方法
などについて徹底解説します。
なお専門的な解説は刑事事件を数多くとり扱い、逮捕後の身内への連絡の事情などにもくわしいアトム法律事務所の弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
逮捕されてしまうと、原則として外部と連絡をとることができなくなります。
この記事で逮捕後の連絡手段の確保について知識を深め、もしものときに備えてください。
目次
逮捕後、警察は身内に電話連絡してくれる?
「知人や家族が逮捕されたらしい…。でも連絡がないのでくわしいことはわからない」
このような悩みを抱えている方は意外と多いようです。
たとえば、ヤフー知恵袋にはこのような質問が投稿されていました。
(略)
詳しい方お願いします。 先日、彼氏が逮捕され、今は留置所にいます。10月3日に釈放かもしれないらしいのですが、全て職場の人経由で教えてもらっていることで、 警察から直接私の所に連絡は一切ありません。
(略)
釈放が確定してからでないと連絡は来ないものなのでしょうか?
(略)
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1347553573
- 逮捕後、警察は身内の人に電話連絡してくれるのか
- 逮捕後、身内に逮捕されたことを知らせたいときにはどうしたらいいか
について解説していきましょう。
逮捕後の流れ|釈放されず勾留されるケースも…
まず、逮捕された後の流れについて簡単に触れておきましょう。
送致とは?微罪処分とは?
逮捕後の流れを図解すると、以下のイラストのようになります。
逮捕が行われた後は、まず警察によって事件を検察官に送致するかどうかが検討されます。
送致とは
警察が被疑者の身柄や証拠物を検察官に送ることを言います。
法律上、警察官は被疑者を罪に問う権限を有していません。
被疑者の刑事責任を追求することができるのは、検察官です。
送致が行われることによって、原則、日本で唯一被疑者を刑事責任に問える立場にある検察官が、事件を認知するに至るのです。
検察庁があらかじめ指定した一定の犯罪について、警察官の取り調べのあと、検察への送致が行われないこともあります。
これを微罪処分といいます。
微罪処分となれば、すぐに刑事手続き終了となって釈放されます。
警察からの連絡の有無について、この微罪処分は重要です。
ぜひ覚えておいてください。
送致 | 微罪処分 | |
---|---|---|
内容 | 検察に事件を送る | 検察に事件を送らず、刑事手続きを終了させる |
勾留されれば最大20日間拘束
事件が送致されたとき、その後に控えるのは検察官による勾留請求の判断です。
いま一度こちらのイラストをご覧ください。
送致が行われてから24時間以内に、検察は
- このまま身体拘束を継続して捜査するべきか(勾留請求)
- 身体拘束する必要なしとして、一旦釈放して在宅事件とするか
を判断するのです。
勾留についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
実務上は、逮捕が行われた事件のおよそ9割ほどの事件について、勾留がおこなわれています。
勾留がおこなわれると、被疑者は警察署内の留置場に、起訴されるまで最大20日もの間、身体拘束をうけることになります。
警察は身内や家族、彼氏や彼女、知人に連絡してくれるか
さて、本題です。
逮捕後、警察が身内に連絡してくれるケースというのは、
- 微罪処分となったとき
- 勾留請求が行われず、在宅事件となったとき
などに限られます。
身元引受人として連絡が来る場合
①微罪処分の場合
検察官があらかじめ指定した事件について、一定の条件に適う場合に微罪処分は行われます。
微罪処分の条件の一例
- 被害が軽微で被害回復が行われている
- 犯行態様が悪質ではない
- 被害者が加害者に罰則を望んでいない
- 初犯
- 家族や上司などの監督者がいる=「身元引受人」がいる
通常、警察が微罪処分とする場合には、身元引受人が要求されます。
その要求に従い、身元引受人になってくれる見込みのある人の電話番号を伝えると、警察がその番号に電話連絡をします。
身元引受人が警察署にまで来れば、釈放となります。
②勾留がおこなわれなかった場合
勾留されるには一定の条件が必要とされます。
勾留の条件
- ① 被疑者が定まった住居を持っていない
- ② 被疑者について証拠隠滅するおそれがあると認められる
- ③ 被疑者について逃亡したり、逃亡するおそれがあると認められる
検察官が、
「身元引受人がいるなら勾留の必要はない」
と判断したときは、事件担当の警察官にそのことが伝えられ、微罪処分のときと同じように釈放の手続きが進められていきます。
身元引受人についてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
微罪処分 | 在宅事件化 | |
---|---|---|
内容 | 警察の取り調べの段階で事件が終了する | 勾留がなされず、釈放されて在宅事件となる |
身元引受人 | 原則、身元引受人が必要 被疑者が身元引受人として指定した人に電話連絡がいく | 原則、身元引受人が必要 被疑者が身元引受人として指定した人に電話連絡がいく |
基本的に連絡はなし!
上記の場合を除いて、基本的に警察官は電話連絡をしてくれません。
事件を担当している捜査官の裁量で電話してくれることもあるようですが、それはきわめて稀なことであり、はっきり言って期待できません。
重要
基本的に、警察官は身内などに電話連絡してくれない!
よく覚えておいてください。
逮捕後は弁護士を呼ぶ|弁護士からの電話連絡
勾留が決定したとき、裁判所から被疑者の家族や身内に連絡がいくというパターンがあります。
刑事訴訟法上、裁判所は、勾留がおこなわれたときには
- 弁護士がいる場合には弁護士に
- いない場合には家族や法定代理人などのうち、被告人の指定する1人に
その旨を伝えなければなりません。
勾留がおこなわれる際には、被疑者は事件担当の裁判官と面談する機会が設けられます。
その場で、裁判官から
「あなたが逮捕されたことを誰かに知らせることができます。どうしますか?」
などと聞かれることになるわけです。
逮捕されたら弁護士に頼る!
ただ、裁判所からの連絡は、
- 逮捕から3日後、勾留の決定した以降となる
- 誰かひとりだけにしか連絡することができない
という欠点を持ちます。
早急に身内に逮捕されたことを知らせたい場合は弁護士に頼るべき!
弁護士は被疑者の味方となり、弁護活動をしてくれます。
弁護士に身内への連絡を依頼すれば、逮捕の初期の段階からでも、周囲に逮捕されたことを知らせることができることでしょう。
注意
弁護士は、知らずのうちに証拠隠滅に手を貸してしまうといった場合について警戒します。
基本的には、きちんと事情を説明したうえでお願いをすれば、電話連絡してくれる場合が多いです。
しかし、身内以外の知人や友人などへの連絡、また共犯が疑われる者への連絡などについては断られる可能性もあります。
警察官* | 裁判所 | 弁護士 | |
---|---|---|---|
連絡相手 | 身元引受人として指定された者に連絡する | 勾留の際、指定された連絡相手ひとりに連絡する | 基本的には、被疑者の希望したすべての人に連絡する ただし、証拠隠滅などへの関与が疑われない者に限る |
連絡のタイミング | ・微罪処分となったとき ・在宅事件に切り替わったとき | ・勾留の決定がされた直後 | ・弁護士として依頼を受けてすぐ |
逮捕≒連絡途絶!家族や親族、旦那や彼氏が逮捕されたか調べる方法
この記事をお読みの方はお察しのこととは思いますが、事実上、
逮捕は失踪と同義
です。
基本的には、ある日突然に連絡が途絶してしまうのです。
基本的に調べる方法はない!|弁護士などからの連絡を待つ
行方不明になった知人や家族、友人などについて、逮捕されたかどうか確認する方法は基本的にはありません。
警察官、裁判官、弁護士からの連絡を待つことになります。
警察署への電話は効果なし?
自ら警察署へ問い合わせてみても、逮捕されているのかどうか教えてもらえないケースも多いでしょう。
警察としても個人情報保護の観点や、証拠隠滅の警戒の観点から、逮捕の事実を知らせたくはないのです。
また法的に、「知人や家族などには逮捕の事実を知らせなければならない」といった義務が定められているわけでもありません。
さらに、被疑者の逮捕後の連行先は、必ずしも被疑者の居住する地域の警察署となるわけではありません。
基本的には事件の発生した地域の警察署であり、大規模な事件については捜査本部の置かれた警察署となります。
さらに留置場の都合などにより、事件発生場所とは違った場所の警察署にさらに移送されてしまうケースもあります。
- 「逮捕が行われたかどうか」
- 「身体拘束を受けている場所がどこか」
を知るためには、基本的には連絡を待つよりほかにないのです。
警察署内の留置場へ行く、弁護士を雇う
「基本的には待つしかない」
ただし、弁護士に依頼することによって逮捕の有無を知ることができる可能性はあります。
弁護士が身分を明かして留置場の管理課に問い合わせれば、収監の有無について教えてもらえるのです。
さらに、弁護士は原則自由に被疑者と接見する権利が保障されています。
被疑者の逮捕の有無や留置場所の特定後も、面会の代理などをしてもらうことで、より自由に被疑者と意思の疎通をはかることができるはずです。
逮捕後の面会についてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
会社への連絡はどうする?逮捕の職場バレ回避法|身内バレも防げる?
ここまでは、逮捕された人とどう連絡つけるか、という点について解説してきました。
逮捕における連絡といえば、
「家族や職場に連絡してほしくない!逮捕されたことを知られたくない!」
という方もいらっしゃることでしょう。
実際、ネット上にはこのような質問が投稿されていました。
万引きの後日逮捕で身内に知られたくありません
(略)
警察署に当初は親を連れてくるようにということだったのですが、話の末、一人で構わないということにしてもらえました。ですが、警察のかたが、両親にはしっかり説明してからくるようにということを電話口で何度もおっしゃられています。
(略)
両親には知られずに解決したい、という風におもっています。
出典:弁護士ドットコム https://www.bengo4.com/c_1009/c_1203/b_667593/
- 逮捕後の職場バレや身内バレの可能性
- 逮捕がバレたあとの、懲戒解雇や離婚の可能性
などについて解説していきます。
逮捕後の人生どうなる?会社は解雇?
まずは会社バレの後、解雇されてしまう可能性について解説していきます。
巷では、「逮捕=解雇が当然である」といった考えの方が多いようです。
ですが、
- 逮捕段階で解雇するのは一般的に不当であり
- 有罪確定後であっても、業務と直接関係のない私生活上の犯罪であれば解雇は不当である可能性が高い
のです。
逮捕で解雇される可能性
まず日本の法律においては、「推定無罪の原則」が適用されています。
有罪判決が確定するまで、その人を犯罪者として扱ってはならないのです。
さらに業務と直接関係のない私生活上の犯罪について、たとえ有罪であっても以下の基準に該当しなければ解雇は認められません。
基準
- ① 就業規則などに、業務外の犯罪について処分を下す旨が記載されていること
- ② その行為が企業秩序に直接の関連を有すること
- ② その行為が企業に対して社会的評価の低下・毀損につながるおそれがあると客観的に認められるものであること
これは非常にハードルが高いことです。
一般論として、業務に直接関係のない私生活上の事件では、懲戒解雇は不当となる事例が多いのです。
刑事事件における解雇の可能性について、より詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
逮捕は離婚事由になる?
逮捕が離婚の事由になってしまうのかどうか、気になっている方もいるかと思います。
妻と夫、双方のどちらかひとりでも離婚に同意していない場合、裁判所などに離婚の請求を行うことになります。
双方の合意が得られない状況で離婚するには、
「婚姻を継続しがたい重大な事由」がある
といった法律上の離婚原因が認められる必要があります。
どういった態様の事件がこの「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるかは、ケースバイケースとしか言いようがありません。
一般に、不起訴となって本人も十分に反省している場合などでは離婚が認められないこともあります。
職場バレの可能性|勾留の有無
先ほど、
「逮捕段階での解雇や、私生活上の犯罪行為を理由にした解雇は不当である可能性が高い」
という点について触れました。
ですが、そもそも職場に逮捕されたことがバレなければ問題に発展することもありません。
勾留をうけると職場バレは不可避に
逮捕が職場にバレるかどうか。
そのひとつの指標となるのは、勾留をうけるかどうかです。
勾留をうけると、起訴されるまで最大で23日間、身体拘束をうけることになります。
つまり、勾留されてしまうと23日間ものあいだ欠勤となってしまう可能性があるわけです。
仮にあとから入院していた等の言い訳をしたとしても、通常そういった場合には診断書の提出が求められます。
一般に、勾留されると職場バレは不可避になります。
逮捕後すぐに釈放された場合は、病欠あつかいにするなど、対応の仕様もあることでしょう。
身内、親族に逮捕は知られる?
つづいて、身内や親族へバレる可能性についてです。
まず身元引受人には必ずバレてしまうという覚悟を持つ必要があります。
身元引受人にはバレる
- 微罪処分となったとき
- 勾留されず、在宅事件に切り替わったとき
などに身元引受人が要求される点については先述の通りです。
一般に、身元引受人には被疑者の監督をする者としての役割が期待されます。
事件の詳細は、警察官によってこと細かく伝えられます。
身元引受人についてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
その他、身内にバレる可能性
身元引受人となるのは同居している家族が多いです。
では遠方の親戚や、知人友人、近所の人などに逮捕がバレる可能性はあるのでしょうか?
接見で知る場合
「ひょっとして逮捕されたのではないか」と疑いを持たれ、警察署に問い合わせされたり弁護士に依頼されたりして、逮捕の事実が知られる可能性があります。
伝聞で知る場合
身元引受人や接見にきた家族友人など、逮捕を知っている人が発信源となり、伝聞によって逮捕された事実が広まる可能性もあります。
報道で知る場合
新聞やネットなどに逮捕されたことが報道された場合、逮捕された事実が広く知られてしまう可能性もあります。
なお、逮捕歴や前科は、戸籍に載ったりしないので、戸籍調査などによって逮捕の事実が知られるといったことはありません。
前科や前歴の記録体系などについてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください
逮捕後の連絡についてお悩みの方は弁護士に相談!
ここまでアトム法律事務所の弁護士とともにお送りしました。
逮捕後の連絡の有無や手続きなどについて、かなり深いところまで知ることができたのではないでしょうか?
この記事をご覧になっている方の中には、自分の事件に即して具体的なアドバイスが欲しい! という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ここからは弁護士に相談できる様々なサービスについてご紹介します。
今すぐ!弁護士無料相談の予約をするなら
こちらの弁護士事務所は、刑事事件の無料相談予約を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから無料相談の予約案内を受けることができるので、緊急の時も安心です。
来所相談は、土日や祝日も可能とのことです。
急を要する刑事事件の相談予約受付ができるので、頼りになりますね。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
24時間365日いつでも全国対応
※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。警察未介入のご相談は有料となります。
広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
ちなみに問合せは、全国対応で受け付けているとのこと。
秘密厳守で、お悩み解決に近づくことができます。
地元の弁護士とじっくり相談したいときは
「対面でしっかり弁護士と相談したい!」
そのようなときはこちらから、全国47都道府県の、刑事事件に強い弁護士を検索することができます。
掲載されているのは、当サイトの編集部が厳選した頼りになる弁護士たちです。
相談してみたい弁護士をぜひ見つけてみてください。
最後に弁護士からメッセージ
では最後に一言お願いします。
逮捕後の連絡について、お悩みの皆さん。
逮捕後、弁護士に依頼していただくことにより、家族や身内へ連絡をつけてご自身のいまの状況を知ってもらうことができるようになります。
また、身内の方が逮捕されてしまい連絡が途絶してしまったという方も、弁護士に依頼していただくことで、
- 拘束を受けている場所の特定
- 留置場内との円滑な意思の疎通
などに希望が持てます。
まずはとにかく、弁護士に相談していただき、お悩みを払拭してください。
まとめ
今回は逮捕の連絡について解説してきました。
逮捕の連絡についてのまとめ
- 逮捕後、特別な事情がない限り警察は逮捕の事実を身内に知らせてはくれない
- また、身内が逮捕されたとき、警察署へ問い合わせても逮捕の有無や拘束を受けている場所について教えてくれる可能性は低い
- 職場バレを回避したいときには、勾留をうけないようにするのが重要
なお、本記事に記載したこと以外で逮捕後に知っておきたい情報は『逮捕されても人生終了じゃない!早期釈放と前科・クビ回避の方法』にまとめているので、興味がある方はご覧ください!
当サイト「刑事事件弁護士カタログ」には、他にもお役立ちコンテンツが満載です。
- 下の関連記事で情報をしっかり押さえて
- 24時間受付の無料相談窓口
- 全国47都道府県の全国弁護士検索
を活用してください。
逮捕後の連絡についてお悩みなら、まずは頼れる弁護士を見つけましょう!