【窃盗罪は刑務所行き?】初犯でも懲役実刑の可能性はある?執行猶予はつく?
ご自身・ご家族が窃盗罪で逮捕されてしまった…
たいへん不安な気持ちでいっぱいになると思います。
そして、そんな状況になった場合一番気になるのは
刑務所に入る可能性はあるかどうか
かもしれませんね。
窃盗罪で逮捕されてしまった場合
- 刑務所に入る可能性はあるのか
- 初犯でも懲役実刑?
- 窃盗罪で逮捕された後の流れは?
など、みなさんの気になる情報をくわしく見ていこうと思います!
目次
「窃盗事件」、身近にも起こりやすくニュースなどでもよく見かける事件ですよね。
つい最近でもこのような記事がありました。
津市内のガソリンスタンド(GS)3店で店員にけがをさせたり現金を盗んだりしたなどとして、強盗傷害と窃盗の罪に問われた(略)裁判員裁判で、津地裁(田中伸一裁判長)は31日、懲役9年(求刑・懲役10年)の判決を言い渡した。(略)
田中裁判長は「短時間に複数のGSを回り、犯行後、車の焼却などの罪証隠滅工作をして計画的。複数回服役したにもかかわらず、出所後わずか半年で犯行に及んでおり厳しい非難を免れない」とした。(略)
出典:毎日新聞2017年10月31日 23時44分
こちらの窃盗罪のニュースでは「懲役9年」の判決が下されていますね…かなり重い刑罰です。
被告人は何度も窃盗行為を働き、刑務所に収容されることを繰り返していたのでこのような判決のようです。
では、もし初犯だったらどのような刑罰を受けることになるのでしょう。
初犯でも刑務所に入らなければならないのでしょうか…
本日は「窃盗罪は刑務所行き?」をテーマにお送りしたいと思います!
法律部分などのくわしい解説は刑事事件のスペシャリスト、アトム法律事務所の弁護士にお願いします。
それではさっそく、窃盗罪の刑罰からみていきましょう!
窃盗罪で逮捕!初犯でも刑務所に入るの?
窃盗罪は刑務所行きになる?罰金?懲役?刑罰を解説!
もし、ご自身やご家族が窃盗罪で逮捕されてしまったら…
刑務所に入る可能性はあるの?
という点が一番気になるかもしれませんね。
このようなつぶやきもありましたが、実際のところはどうなのでしょう。
刑務所に収容されてしまうと今までの日常生活を送ることができません。
窃盗罪での逮捕で刑務所に収容される可能性はあるのかみてみましょう。
窃盗罪の刑罰は10年以下の懲役、または50万円以下の罰金とされています。
窃盗罪の結果が軽微な場合は、略式裁判で罰金刑になる場合があります。
窃盗罪の場合は、50万円を超える罰金を科すことができません。
なので、窃盗罪の行為が悪質なケースでは、罰金刑では済まず、正式起訴され懲役刑になることもあります。
軽微な窃盗罪の場合は略式裁判になるのですね。
みなさん「略式裁判」の意味はご存知ですか?
略式裁判とは、簡易裁判所が、検察官の請求により、公判を開かずに書面審理のみによって、100万円以下の罰金または科料を科する略式命令を発することをいいます。
では、懲役刑になった場合はすぐに刑務所に収容されるのでしょうか?
窃盗罪の刑事裁判において、有罪になり懲役刑が言い渡されても執行猶予がつけば、直ちに刑務所に収容されません。
執行猶予後は、社会で日常生活を送ることができます。
もっとも、再び犯罪を行うと、執行猶予が取り消されて刑務所に収容される場合があります。
窃盗罪で有罪になると必ず刑務所にいく…というわけではなさそうです。
しかし、被害の大きさなどによっては刑務所に収容される可能性も十分あるとわかりましたね。
表にもまとめましたのでご覧ください。
まとめ
窃盗罪の刑罰の重さ
刑罰の内容 | 刑務所への収容 | |
---|---|---|
罰金刑 | 50万円以下の罰金 | なし |
懲役刑 | 10年以下の懲役 | あり* |
初犯でも懲役実刑になる?
窃盗罪は「10年以下の懲役、または50万円以下の罰金」が課せられ、刑務所に入る可能性もあるとわかりました。
もし、初犯だとすると少しは刑が軽減されるのでは…
初犯でも懲役実刑になり、刑務所に行くことはあるのでしょうか。
初犯でも懲役実刑になる可能性はあります。
初犯で懲役実刑になる可能性が高いのは、
- 被害額が極めて大きい場合
- 犯行に業務性・反復性が認められる場合
などです。
特に、以上のような重大窃盗で、被害者と示談が成立していない場合は、初犯でも懲役実刑の可能性が高まります。
ではどのようにすれば懲役実刑を避けることができるのでしょうか。
そればズバリ、被害者と示談を成立させることです。
窃盗事件は被害者がいる刑事事件なので、窃盗罪の被害者と示談が成立し、相手から許してもらうことが大切です。
被害者から許してもらうことができれば、初犯である点が考慮され、懲役実刑になる可能性が低くなります。
こちらに窃盗の示談についてくわしく書かれた記事がありますのでご覧ください。
【Q&A】窃盗罪と刑務所の関係
窃盗罪で逮捕…その後の流れは?勾留(拘留)期間は?
「窃盗罪で逮捕されてしまった…」
その後の流れってご存知ですか?
もし、窃盗罪で逮捕されたらすぐさま刑務所に収容されるわけではありません。
刑務所に収容される場合も様々な過程があります。
もしご自身やご家族が窃盗罪で逮捕されたら…その後どうなっていくのか知りたいですよね。
ここでは窃盗罪で逮捕された後から刑務所入所までの流れを追っていこうと思います!
①窃盗罪の勾留(拘留)期間は?逮捕されてから起訴までの流れ
まず、窃盗罪においての逮捕から勾留までの流れをみていきましょう。
窃盗行為を行い、加害者を警察が逮捕する場合、その後に警察署で取り調べが行われます。
ちなみに、逮捕には種類があり、「現行犯逮捕」と「後日逮捕」があります。
逮捕の種類
現行犯逮捕:窃盗行為を目撃者や被害者側の関係者、現場に駆けつけた警察官によって行われることが多い。
現行犯逮捕できるのは、基本的にその時その場限り。
後日逮捕(通常逮捕):後日逮捕は警察官などの捜査機関によって逮捕状に基づき行われる。
「現行犯逮捕」は警察以外の私人でも可能です。
私人逮捕の場合はその後警察に引き渡されます。
後日逮捕は、裁判官が発行する逮捕状にもとづいて行われる必要がある。
「現行犯逮捕」と「後日逮捕」の違いを表にもまとめましたのでご覧ください。
まとめ
現行犯逮捕と後日逮捕の検証
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕出来る人 | 誰でも | 警察官などの捜査機関 |
逮捕のタイミング | 犯行中、犯行直後 | 事件発生の後日 |
逮捕状の有無 | 逮捕状なし | 逮捕状あり |
現行犯、もしくは後日、警察に逮捕された後、警察は48時間以内に「検察官に事件を引き継ぐ」か、「被疑者を釈放する」かを決めなければなりません。
被疑者はその日の夜、「留置場」で一泊することになります。
そして、翌日か翌々日に検察官へ「送致」されます。
送致のあとに釈放されることもあれば、そのまま勾留が続くこともあります。
検察官による逮捕の場合も、その後に取調べを行います。
そしてそこから24時間以内に「裁判官に勾留を請求する」か、「起訴」するか、又は「釈放」するかが決められます。
検察官が「勾留請求」をした場合には、裁判所に行って裁判官と面談をしなければなりません。
裁判所では、裁判官から逮捕の理由となった容疑について簡単な質問を受けます。
これを勾留質問と呼びます。
勾留質問において、裁判官が「この人は、証拠を隠したり、逃亡したりするおそれがない。」と判断すれば、10日間の勾留が決定されません。
そのため、留置場に一旦帰ってそのまま釈放されることになります。
逮捕後、長くても72時間以内には検察官による「勾留請求」「起訴」「不起訴」「釈放」のいずれかが行われます。
事件が複雑だったり、関係者の事情聴取がまだ終わっていないなど、やむを得ない理由で捜査を終わらないことがあるかもしれません。
その場合は、10日間の勾留のあと、さらに最大10日間勾留の延長が行われることがあります。
留置場に収容されるまでの流れを図で確認しておきましょう。
では続いて勾留後から裁判までの流れをみていきましょう。
最初の勾留期間は10日間です。
しかしその後、勾留を継続したまま捜査を続ける必要性がある場合は、最大10日間延長され、最長で合計20日間勾留されることがあります。
勾留が決定された場合は、身柄事件として捜査が続行し、勾留が決定されなかった場合は、在宅事件として捜査が続行されます。
捜査が終了した時点で、検察官は事件を起訴するか・しないかを決定します。
検察官の最終的な処分の内容は、起訴、不起訴、もしくは処分を保留にして釈放することを選択します。
事件が起訴された後は、被疑者勾留は、そのまま被告人勾留へと切り替わります。
起訴後は通常、被告人は留置場から拘置所に移動することになります。
起訴の流れについて詳しい図がありますのでご覧ください。
②起訴から裁判までの流れ
事件が起訴されると、その後、刑事裁判を受けることになります。
基本的には、保釈が認められない限り、判決が出て裁判が終了するまで勾留が継続することになります。
事件が起訴された後は、起訴の日から約40日後に刑事裁判の第一回公判が行われます。
容疑を認めている場合は、第一回公判の約10日後の第二回公判で有罪判決がくだされ、刑事裁判が終了することも多いです。
起訴から裁判終了までのわかりやすい図がありますので、参照してください。
③裁判から刑務所に入所するまでの流れ
逮捕、勾留、起訴、と順番に見てきました。
起訴されると、裁判を受けることになります。
ここからは裁判から刑務所に収容されるまでの流れをみてみましょう。
第一審の刑事裁判を簡潔にいうと、
① 冒頭手続
↓
② 証拠調べ手続
↓
③ 論告・求刑/弁論
↓
④ 判決
という流れで行われます。
判決では裁判長から、無罪や有罪(懲役〇年執行猶予〇年など)という結論と、その理由について詳しく説明されます。
また、一審の地方裁判所の判決に対して納得できない場合には、高等裁判所に控訴することができます。
起訴から刑務所に収容されるまでの流れの図がありますのでご覧ください。
④刑務所に入所した後の流れ
最後に、刑が確定したあとの入所後の流れもみていきたいと思います。
「拘置所」で刑が確定されると、通常は刑務所に移送されます。
服役場所や刑務作業の内容などは刑決定後に調査によって決められます。
調査されるのは
- 刑期の長さ
- 犯罪傾向の度合い
- 治療の必要性
- 性別
- 国籍
などで、それらを考慮し服役先の刑務所が振り分けられます。
ここまで、段階別に逮捕~刑務所までの流れを解説しました。
こちらに簡単に全貌をまとめた図がありますのでもう一度おさらいしておきましょう。
今見てきた流れをもっとくわしく知りたい!という方はこちらの記事もお読みください。
詐欺罪、酒気帯び運転、DV、万引きなど様々な罪名の逮捕の流れを確認できます。
自転車の窃盗、初犯でも刑務所に入る?
身近でも良く耳にする自転車の窃盗。
初犯でも刑務所に収容される可能性はあるのでしょうか。
ネットにはこんな意見もありましたが…
初犯の自転車の窃盗で懲役実刑になることはないのでしょうか。
自転車窃盗の初犯で、いきなり刑務所に収監されることはありません。
自転車窃盗の場合、最初は微罪処分として処理され、二、三回目以降からは、検事のもとに送致されることになります。
何回も自転車窃盗を繰り返した場合は、罰金刑になり、その後も自転車窃盗を繰り返した場合は、刑事裁判で懲役刑を言い渡されることになります。
初犯でいきなり刑務所に行くことはないので、その点は心配しなくてもよいでしょう。
自転車の窃盗において初犯で刑務所へ収容される…ということはなさそうですね。
しかし、相手の被害感情やこれまでの前歴によっては罰金などの可能性もあるようです。
しっかり反省し、被害者に誠意をもって謝罪することが大切です。
窃盗罪、初犯なら執行猶予はつく?
先ほど初犯でも「懲役実刑」になる可能性があるとわかりました。
では、もし窃盗罪で懲役実刑が言い渡されたとして、執行猶予がつく可能性は高いのでしょうか。
窃盗罪の初犯であることは、刑事裁判において有利には考慮されます。
しかし、初犯の窃盗罪だからといって、必ずしも執行猶予になるとは限りません。
また、窃盗事件の被害が多大であったり、行為が悪質であったりする場合は、初犯でも懲役実刑になる可能性があります。
窃盗罪で刑事裁判になった場合、執行猶予の可能性を高めたければ、被害者と示談を成立させることが大切です。
初犯だからといって、有罪で懲役実刑となったとき必ず執行猶予がつく、とは限らないようです。
量刑の判断基準は『窃盗罪、初犯は懲役何年?執行猶予がついても前科ありなの?』で詳しく解説しているので、興味がある方はご覧ください。
被害者と示談を成立させることは刑事事件では重要なようです。
示談については『刑事事件の示談に迫る!示談のタイミングや示談金の相場が知りたい!』でご確認ください。
【弁護士相談】窃盗罪で刑務所行かないためには…
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「でも弁護士に相談ってどうやってすればいいの…?」
と疑問に思われる方も多いかもしれません。
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ということです。
どちらも窃盗事件において弁護士に依頼する際に大切な点です。
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最後にひとこと
ここまで窃盗罪と刑務所の関係についてアトム法律事務所の弁護士とみてきました。
みなさんの疑問や不安は解消されたでしょうか?
では、最後にアトム法律事務所の弁護士からひとことお願いします。
窃盗罪でご自身やご家族が逮捕されたみなさん。
窃盗罪は懲役実刑になる可能性が充分ある犯罪です。
もし、ご家族が窃盗罪で逮捕されてしまったら…
まずは弁護士への相談を検討することをオススメします。
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