【余罪捜査】盗撮編!立件見送り?それとも逮捕?起訴までの犯罪追及期間をレポート
2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。
「盗撮で逮捕されたら、今までの盗撮画像がたくさん押収されてしまった・・・。」
盗撮事件の捜査の一環として、証拠画像が押収。
そして、多数の余罪が見つかってしまう。
このような場合、次のような不安がありますよね。
- 余罪についても立件されてしまうのか
- 余罪の捜査に要する期間はどれくらいだろう
- そもそも立件の意味がわからない
このような疑問にお答えしていきます。
実務の問題については、刑事弁護の専門家、アトム法律事務所の弁護士にお願いいたします。
それでは、先生、よろしくお願いします。
目次
それでは、盗撮の余罪立件にまつわる疑問、不安を解消していきましょう!
【実録】盗撮の余罪!警察の捜査から立件まで
【立件とは?】 ①意味を確認!
「余罪で立件されてしまうのか・・・。」
たくさんの盗撮画像が押収されてしまった。
この場合、余罪でも立件されてしまうのか不安になりますよね。
ここで、立件とは・・・。
実は、「立件」という言葉は、様々な意味で用いられています。
「立件」は法律用語ではなく、刑事訴訟法上の手続に存在しない。警察行政上も明確な定義がなく、統計用語にもなっていない。
(略)
マスコミの事件報道での「立件」は、必ずしも「検察官」が主語となるケースに限られているわけではない。むしろ「警察官」が主語となることが多いようだ。
出典:Yahoo!Japan ニュース(2013.6.25 8:18)
検察官が立件するか・・・。
警察官が立件するか・・・。
辞書も少し見てみましょう。
刑事事件において、検察官が公訴を提起するに足る要件が具備していると判断して、事案に対応する措置をとること
出典:デジタル大辞泉
これだと、立件の意味は検察官が公訴提起の準備をすることになりますよね。
では、こちらはどうでしょう。
刑事事件として取り上げることを確定すること
出典:三省堂ウェブディクショナリー
これだと、検察官に限られず、警察官が事件として取り上げることも含まれますね。
この記事の中では、立件の意味はこのように定義しておきます。
盗撮で逮捕されると、多数の盗撮画像が押収されてしまいます。
そのような証拠から、どのように警察が立件していくのか・・・。
そんな観点から、レポートを進めていきますね!
【立件とは?】 ②警察が盗撮犯罪を立件する、その方法
盗撮という犯罪で立件される場合、現行犯が多いといわれています。
現行犯逮捕とは、どんな逮捕なのでしょう。
現行犯逮捕とは、現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者を逮捕することをいいます。
一般の方でも、逮捕状なしに、逮捕をすることができます。
なぜ、盗撮の立件では現行犯逮捕が多いのか・・・。
それは、以下のような理由があります。
盗撮行為は、被害者に気づかれないように行われるものです。
被害者に気づかれなければ、犯罪が発覚しません。
小型カメラなどを用いていることで、目撃者も見つかりにくいです。
このような理由から、後日逮捕が難しいといわれています。
気づかれにくい態様で行われる犯罪。
盗み見しているわけですから、気づかないというのもわかります。
「スマホを構えて撮られているのが明らかだ・・・。」
このようなときに現行犯逮捕されることが多いといえます。
では、盗撮の余罪はどのように立件されるのか?
このことを次に見ていきましょう。
【立件とは?】 ③盗撮余罪の立件
「盗撮で逮捕されてしまった・・・。」
その場合、証拠としてスマホを押収されてしまうことがあります。
そうすると、スマホの中に、余罪の盗撮画像が多数発見された。
そんなことがよくあります。
盗撮の余罪について立件されるとなると、現行犯逮捕にはなりません。
後日逮捕になります。
では、後日逮捕というのは、どのような逮捕なのでしょう。
後日逮捕は、法律上は、通常逮捕といわれています。
後日逮捕は、裁判官から、事前に逮捕状の発付を受け、これにもとづいて被疑者を逮捕するものです。
これは、一般の方はできません。
事件として立件するには、盗撮事件が本当に起こったといえるかがポイントになります。
- 盗撮された被害者
- 盗撮場所
- その画像は盗撮したものか
などなど。
これらは、盗撮画像、それ自体からはわかりにくいものです。
何百枚も盗撮画像があると、捜査も大変です。
余罪から立件されるケースがあるとします。
たとえば、
- 被害者から盗撮について被害届が提出されている
- それと合致する画像が見つかった
- 撮影場所が判明した
などの事情が考えられます。
ケーススタディー【警察追及編】立件の分水嶺
その1 盗撮とはどんな犯罪?
ここで、盗撮とはどんな犯罪なのか確認しましょう。
盗撮が罰せられるケースについては、主に以下の4つがあります。
- ①撮影罪
- ②都道府県の迷惑防止条例違反
- ③ 刑法の住居侵入罪
- ④ 軽犯罪法違反
盗撮の刑罰
- 撮影罪(2023.7.13~)
3年以下の懲役または300万円以下の罰金 - 迷惑防止条例違反
東京都の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(※常習の場合はさらに重くなる) - 住居侵入罪
3年以下の懲役または10万円以下の罰金 - 軽犯罪法違反
拘留(1~30日収容)または科料(千円~9999円)
同じ盗撮といっても状況によってさまざまな法違反になることがあるんです。
なぜ、盗撮が住居侵入罪になるのか・・・?
これについて説明を加えておきます。
たとえば、「お隣のA子さん宅のお風呂場を盗撮してしまった。」とします。
この場合、A子さんの家の敷地に忍びこまなければ、盗撮できません。
この「忍びこむ」行為をとらえて、住居侵入罪とされるのです。
盗撮するつもりで「侵入」するということですね。
北海道警江差署は9日、住居侵入の疑いで(略)小学校教諭(略)を逮捕した。逮捕容疑は10月13日午後6時40分ごろ、北海道南部の30代男性宅の敷地に侵入した疑い。江差署によると「男性の家族を盗撮するつもりだった」と供述している。
出典:産経ニュース(2017.12.10 12:00)
さて、盗撮という犯罪がどんな犯罪なのかわかりました。
いよいよ、実例にうつりましょう!
その2 盗撮の余罪が立件されるケース
押収した盗撮画像から事件化されたケースについて見てみましょう。
事例
▼事案
アパートの郵便受けからスマートフォンで室内を盗撮した事案。
▼余罪立件の過程
押収した携帯電話やUSBから画像を分析。
撮影場所が公共の場所でないこと、スマホの撮影の際の画像の位置情報などから、被害者を割りだすことができた。
▼示談の成否
余罪の被害者とも示談が成立。
▼結論
不起訴処分。
上記の事例とは異なり、被害者が特定できない場合、立件できません。
立件できない場合でも、余罪が捜査報告書に記載されることがあります。
余罪自体について、処罰の対象にならないとしても、のちのち情状に影響する可能性もあります。
その3 盗撮の余罪の立件が見送られるケース
次は、盗撮の余罪について立件が見送られたケースを見てみましょう。
実務的には、余罪について立件が見送りされることが多い傾向にあります。
余罪が発覚しても、捜査が進められないため事件化できないことがあるからです。
さて、事例①を見てみましょう。
これは、現行犯について逮捕されていない事案です。
余罪についても検察に送致されていません。
事例①
▼事案
レースクイーンのスカート内を動画盗撮して通報された事案。
▼余罪捜査の概要
録画機材が押収され、何人ものレースクイーンの盗撮動画が発見された。
被害者が警察に不協力。
▼余罪追及の有無
無し。
次に、事例②を見てみましょう。
これは、逮捕の根拠となった盗撮について不起訴になった事案です。
事例②
▼事案
コンビニ店内で女性を盗撮して後日逮捕された事案。
目撃証言と防犯カメラの映像が、後日逮捕の手がかりとなった。
▼余罪捜査の概要
余罪多数あり。画像の復元をされる可能性があった事案。
▼余罪追及の有無
無し。
余罪で立件が見送られるケースとしては、様々なものがあります。
- 被害を特定できない
- 被害届が出されていない
- 示談が成立している
などの事情がある場合、余罪の立件見送りのケースになる傾向があります。
盗撮の余罪捜査に要する期間はどのくらい?立件から逮捕・起訴まで
余罪の逮捕までに要する期間
余罪の立件は見送りになるケースが多いとご紹介してきました。
ですが、仮に余罪で再逮捕されることになったら、これに要する期間が気になります。
どのくらいの期間なんでしょう?
まず、通常の逮捕手続について見てみましょう。
上の図は、逮捕手続を示したものです。
警察が逮捕したとします。
その後、検察へ身柄を送致します。
そうして、勾留延長までするとなると、23日間も家にかえることができません。
その上、再逮捕されるとなると、同様の期間がかかります。
①警察による逮捕 ↓ ②事件送致の手続 (逮捕から48時間以内) ↓ ③検察官への事件の引継ぎ ↓ ④勾留請求または公訴提起または釈放 (被疑者の受取りから24時間以内、逮捕時から72時間以内) ↓ 再逮捕でも同様の手続が続く・・・ |
再逮捕までされてしまうと、かなりの期間を費やすことになりそうです。
起訴までに要する期間
仮に、次のようなケースを考えてみます。
すでに、盗撮Aで逮捕され起訴されています。
盗撮Bについては再逮捕された後、追って起訴されたとします。
このように追起訴された盗撮B事件については、最初に起訴された盗撮Aといっしょに審理されることになります。
追起訴については、裁判に要する期間が長くなるというデメリットがあります。
追起訴は、審理手続の重複を回避するために、検察官の起訴を待つという性格があるためです。
長いときには、2か月も待たされてしまうこともあるようです。
起訴なのか不起訴なのかは、検察官の判断にゆだねられます。
実務では、盗撮の場合、余罪が出てくることがほとんどだそうです。
しかし、弁護士に聞いてみると、被害者の特定が困難な場合も多く、その場合は余罪の立件・起訴は難しいのが実情だとわかりました。
もちろん、事件の一事情として捜査報告書には記載されるとのことです。
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さいごに
盗撮で捕まったうえに、たくさんの画像を押収されて・・・。
余罪を捜査で追及されてしまうのか・・・。
余罪が多数の場合どのように対応していったらいいのかわからない・・・。
このような方は、早く弁護士に相談してほしいです!
盗撮事件では、余罪が多数でも、被害者との示談で不起訴になることが多くあります。
被害者が特定され立件されるおそれがある場合には、早い段階で被害者対応をしておく必要があります。
示談交渉は、一般的には弁護士を介してすることが多いです。
被害者と連絡をとることにも一定の時間がかかるため、早めに動き出して、弁護士に検察官と処分について交渉してもらいましょう。
また、捜査過程で、余罪を追及された場合にどのように対応していったらよいのか悩む場面もあるでしょう。
そのような場合でも、弁護士と相談できる環境は心強いものです。
盗撮で不安のある方は、早急に弁護士を探していただくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
「盗撮でつかまったけど、余罪もたくさんあって追及がこわい。」
「どのくらいの期間、捜査が続くのか不安。」
などなど、不安を抱えている方は、早めに弁護士にご相談をしてみてください。
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