逮捕、その後の流れとは…留置場での過酷な生活、釈放に向けて
刑事事件・逮捕についてお悩みの方へ。
このページでは、「勾留の阻止、不起訴、略式罰金、保釈、執行猶予により実際に釈放されたケース」について調査した結果を報告しています。
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目次
勾留阻止で釈放されたケースは!?
逮捕されてしまった人にとって、最善のシナリオが、勾留阻止で釈放されることだ。逮捕状の効力は最大で72時間しかないので、留置場を2泊3日で出ることができるのだ。
なお、勾留阻止のパターンとしては、検察官が勾留請求しない場合、裁判官が勾留請求を却下する場合、勾留決定に対する準抗告が認められる場合の3パターンがある。
弁護士への依頼のタイミングが早ければ、全てのパターンで勾留を阻止できる可能性があるので、一刻も早く弁護士に相談することが大切だ。
(まとめ表)
勾留阻止のパターン | 結果 |
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検察官が勾留請求しない | 直ちに釈放 |
裁判官が勾留請求を却下 | 直ちに釈放 |
勾留決定に対する準抗告が認容 | 直ちに釈放 |
<実際のケース>
痴漢(勾留阻止で釈放) |
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依頼者(会社員、20代男性、前科なし)が、通勤途中の電車の中で、乗客の女子高生の後方に立ち、後ろから右手で太ももを触った容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。依頼者は検察側の請求により一度は10日間の勾留が決定されたが、弁護側の不服申立てが認められ直ちに留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により被害者と示談が成立したため、事件は不起訴で終了。 |
建造物侵入、軽犯罪法違反(のぞき)(勾留阻止で釈放) |
依頼者(会社役員、40代男性、前科なし)が、深夜、職場の新人歓迎会を終えて酒に酔って帰宅する途中、女性が用を足す姿をのぞき見る目的で、駅構内の女子トイレに侵入し、実際にのぞき見を行った容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。依頼者は検察側の請求により一度は10日間の勾留が決定されたが、弁護側の不服申立てが認められ直ちに留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により本件を罪に問えないことが理解されたため、事件は不起訴で終了した。 |
強制わいせつ(勾留阻止で釈放) |
依頼者(会社員、30代、男性)が、通勤途中の電車の中で、乗客の女性に対し、後方からスカートをめくり上げ、ストッキングの上から陰部に指を差し入れて、さらに指で陰部を弄んだ容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。依頼者は検察側の請求により一度は10日間の勾留が決定されたが、弁護側の不服申立てが認められ直ちに留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により本件を罪に問えないことが理解されたため、事件は不起訴で終了した。 |
※2017年7月13日の改正刑法施行以前は、旧強姦罪・強制わいせつ罪ともに親告罪でした。上記の事例は改正刑法施行前のものですが、改正後の今も、強姦や強制わいせつ事件で示談が成立し、告訴が取り消されれば、不起訴になる可能性は高くなります。
不起訴で釈放されたケースは!?
勾留を阻止できなかったとしても、勾留は最長でも20日間しかできないので、勾留満期までに起訴されず、不起訴になれば必ず留置場から出ることができる。
不起訴の主なパターンとしては、嫌疑不十分と起訴猶予がある。
否認事件などでは、依頼者の言い分を把握して裏づけをとり、検察官に証拠と意見を提出することで、嫌疑不十分で不起訴になることがある。
自白事件では、素直に罪を認めて反省の態度を示し、弁護士を通じて被害者と示談交渉してもらい、示談が成立すれば、起訴猶予で不起訴になる可能性を高めることができる。
(まとめ表)
不起訴のパターン | 結果 |
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嫌疑不十分で不起訴 | 直ちに釈放 |
起訴猶予で不起訴 | 直ちに釈放 |
<実際のケース>
殺人未遂(不起訴で釈放) |
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依頼者(大学生、20代男性、前科なし)が、駅のホームで、電車が発車間近であることを認識しながら、通行人の女性(当時59歳)をホームの上から線路に落下させた容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により殺人未遂としての立件ができないことが理解されるとともに、被害者と示談が成立したため、依頼者は留置場から釈放され、不起訴で終了した。 |
強盗致傷(不起訴で釈放) |
依頼者(会社員、40代男性)が、駅前複合施設で洋菓子を万引きし、これに気付いて追いかけてきた警備員を殴り、顔面打撲の傷害を負わせた容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により被害者と示談が成立したため、依頼者は勾留の途中で直ちに留置場から釈放され、事件は不起訴で終了した。 |
自動車運転過失致死(不起訴で釈放) |
依頼者(公認会計士、60代男性、前科なし)が、自家用車で走行中、原付バイクの運転手(当時64歳)を狼狽転倒させ、死亡させた容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により本件を罪に問えないことが理解されたため、依頼者は留置場から釈放され、事件は不起訴で終了した。 |
略式罰金で釈放されたケースは!?
事件の性質上、不起訴になるのが難しい場合でも、正式な刑事裁判を請求されず、略式罰金で終わることができれば、勾留満期に直ちに留置場から釈放される。
正式起訴か略式罰金か微妙な事案であっても、弁護士を通じて被害者との示談が成立すれば、略式罰金で釈放される可能性を高めることができる。
<実際のケース>
傷害(略式罰金で釈放) |
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依頼者(会社員、20代男性、前科で執行猶予中)が、金曜日の夜、路上で、同僚と一緒に、タクシー運転手(当時74歳)の顔面を拳で殴打する暴行を加え、加療約3か月を要する顔面挫創等の傷害を負わせた容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により被害者と示談が成立したため、暴力行為処罰法違反の点は不起訴で、傷害の点は略式罰金で終了し、依頼者は執行猶予が取り消されずに直ちに留置場から釈放された。 |
売春防止法違反(略式罰金で釈放) |
依頼者(飲食店従業員、40代女性、前科不明)が、勤務先の売春クラブで、女性従業員を男性客の売春相手として引き合わせ、売春の周旋をした容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により被疑者側に有利な事情が証明されたため、事件は略式罰金で終了し、依頼者は直ちに留置場から釈放された。 |
風営法違反(略式罰金で釈放) |
依頼者(個室マッサージ店従業員、30代女性、前科不明)が、共犯者と共謀して、条例により禁止されている地域で、店舗型の風俗店を営業した容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により被疑者側に有利な事情が証明されたため、事件は略式罰金で終了し、依頼者は直ちに留置場から釈放された。 |
保釈で釈放されたケースは!?
不起訴にも略式罰金にもならず、正式な刑事裁判を請求されてしまった場合でも、保釈が認められれば保釈金の納付後に直ちに釈放される。
覚せい剤事件などは、懲役刑だけで罰金刑がないので、保釈で釈放されるケースが多い。
保釈金は、被疑者の資力や犯罪の内容などによって異なるが、一般的なケースであれば、150万円~200万円のケースが多いといえる。
<実際のケース>
大麻栽培(保釈で釈放) |
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依頼者(歯科技工士、30代男性、前科なし)が、友人らと一緒に、営利の目的で、約10か月間に渡って大麻草200株余りを栽培し、また乾燥大麻数十グラム、大麻樹脂数十グラム、MDMA1個、LSD1片を所持した容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動の結果、保釈が許可され、依頼者は保釈金450万円を納付して直ちに留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により有利な事情が証明されたため、事件は検察側の実刑求刑をくつがえして執行猶予で終了した。 |
覚せい剤自己使用(保釈で釈放) |
依頼者(無職、30代女性、前科なし)が、自宅で、夫と一緒に、パニック障害の症状を緩和するため、覚せい剤を注射器で使用した容疑で逮捕された事件。逮捕当初、依頼者には営利の目的の覚せい剤所持の容疑もかかっていた。逮捕された後に事件を受任。弁護活動の結果、営利目的所持の件は不起訴になり、保釈が許可され、依頼者は保釈金200万円を納付して留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により、事件は検察側の求刑から刑が軽減された上、執行猶予で終了した。 |
危険運転致傷(保釈で釈放) |
依頼者(会社員、30代男性、前科なし)が、水曜日の深夜、自宅で酒・抗パニック障害剤・抗不安剤・睡眠導入剤を服用した後、酩酊状態のまま自家用車で道路を走行中、近くを走っていたバイク・自動車・トラックに次々と衝突し、合計4名に傷害を負わせた容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動の結果、保釈が許可され、依頼者は保釈金300万円を納付して直ちに留置場から釈放された。また、その後の弁護活動により被害者4名中3名と示談が成立し、加害者側に有利な事情が証明されたため、事件は検察側の実刑求刑をくつがえして執行猶予で終了した。 |
執行猶予で釈放されたケースは!?
正式裁判の請求を受けた後、保釈が認められなかった場合でも、裁判で執行猶予がつけば、判決の日に直ちに釈放される。
執行猶予をつけるためには、被害者対応が重要なのはもちろんのこと、犯罪の内容に応じた有利な情状を集め、実刑にする必要がないことについて、法廷で裁判官を説得する必要がある。
(まとめ表)
振り込め詐欺(執行猶予で釈放) |
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依頼者(大学生、20代男性、前科なし)が、共犯者と共謀して、賃貸マンションの一室から見知らぬ他人に「示談金が300万円いる。」等の嘘の電話をかけ、合計635万円を騙し取った容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により被害者全員と示談が成立し、加害者側に有利な事情が証明されたため、事件は検察側の実刑求刑をくつがえして執行猶予で終了し、依頼者は直ちに釈放された。 |
大型窃盗(執行猶予で釈放) |
依頼者(無職、30代男性、前科なし)が、当時勤務していた駅前の大型家電量販店から、数か月間に渡ってパソコン数十台を盗み続け、馴染みの中古ショップに横流しして現金化していた容疑で逮捕された事件。逮捕される前に事件を受任。弁護活動により余罪の大半を罪に問えないことが理解されたため、事件は大部分が不起訴となり、起訴された事件も執行猶予で終了し、依頼者は直ちに釈放された。 |
商標法違反(執行猶予で釈放) |
依頼者(無職、20代男性、前科なし)が、共犯者と共謀して、インターネットオークション業を営み、申込みを受けた顧客に偽物のサングラスを3回販売、譲渡し、また自宅等で偽物のサングラスを153個所持した容疑で逮捕された事件。逮捕された後に事件を受任。弁護活動により譲渡2件を罪に問えないことが理解されたため、事件は不起訴で終了した。また、起訴された譲渡1件と所持2件は、被告人側に有利な事情が証明され、事件は執行猶予で終了し、依頼者は直ちに釈放された。 |
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まとめ
いかがでしたか?逮捕の流れについて、編集部の徹底調査の結果をお届けしてまいりました。
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